すべての機材に思い出、思い入れがあります。ここではそういったものを交えながら機材を紹介させて頂きます。
▼親方にもらった溶接機
この溶接機は昨年度まで活躍していた溶接機です。
私が溶接屋になると決め、柴山酸素の門をくぐり、親方に弟子入りをお願いしました。30年以上前の話になります。親方曰く、私が最初で最後の弟子だったそうです。親方が「堅さん(私です)専用の溶接機がないと困るだろう」そういって用意してくれた当時新品の溶接機が、この溶接機です。
修行時代から使い慣れた溶接機。独立することになり、親方が「退職金はやれないけれど、これを持っていけ」そう言いながら溶接機を私にくれました。
当時、私には溶接機を始めとして独立するための道具は一切ありませんでしたので、主力の溶接機を頂けると言われた時には、言葉では表せないくらいに嬉しかったことを今でもはっきりと覚えています。以来30年間に亘り大事に大事に使い続けた溶接機ですが、2回目の修理の際、メーカー側からもう部品がない事を告げられました。心のなかで「本当にありがとうございました。ご苦労様でした」という思いの中で記念写真を取り、お別れをいたしました。私の原点とも言える溶接機です。